内装デザインを依頼した場合、ある程度のコンセプトや自身の理想イメージを伝える必要があります。
事業内容から始まり客のターゲット層、店舗の立地などすべてを考慮したうえでデザイナーや設計士は内装デザインを考える必要があるからです。
しかし、理想のイメージを伝えて終わりではありません。
デザイナーや設計士はいくつかの案を提示し、そのなかから自身が選ぶ必要があるからです。
また、店舗に置くインテリアも自身がそろえる必要もあることでしょう。
そこで、今回は「色」に注目してよりよい店舗にするポイントをご紹介します。
色が与える影響とは
「色」には心理的な力があります。
人間の脳の仕組みから言っても、「形」の認識より「色」を認識するほうが早く、そのぶん「色」から受ける印象は「第一印象」として大きな影響を与えます。
これだけでも影響力のある「色」ですが、人は視覚で8割の情報を得ると言われています。
つまり、「色」の与える影響はとても大きく、良い店舗作りをするためには決して軽視してはいけないポイントということが分かることでしょう。
色の基本「色彩計画(カラースキーム)」
バランスのいい配色というものが存在します。
いわゆる、黄金比のようなものです。
ベースカラー70%、テーマカラー25%、アクセントカラー5%が適切と言われています。
ベースカラーは床・壁・天井にあたり、白やアイボリーなどのほかの色と馴染みやすい色が該当します。
テーマカラーはその店舗のイメージを決める主格の色です。
同系統の色の範囲で好きな色を選ぶのが基本で、カーテンやメインの家具・設備などにあたります。
アクセントカラーは最も目を惹く、文字通りアクセントになる色を選びます。
インテリア小物などに選び、重量感のある色・鮮やかな色などにしてメリハリを作るのです。
これに位置するものをお花にすれば季節感も演出できます。
この配色の割合を意識すれば、まとまりのある空間を作ることができます。
デザイナーの方もこれを基礎として店舗のカラーを考えていくので、店舗でも自身のお部屋でも役に立つ知識となるのではないでしょうか。
色の力を利用しよう
色のもつ心理的な力は、店舗の広さ・雰囲気・商品の見せ方などに大きく影響を与えます。
具体的にいくつかご紹介します。
店舗の広さ
白などの明るい色をベースにすると空間に広がりを持たすことができるため、壁や天井にあてると店舗内が広々しているように見えます。
一方で黒などの暗い色は圧迫感や重厚感を与えるため、椅子などの家具にあてると家具に高級感を持たせることができます。
商品の見せ方
飲食店では暖色がよく使用されます。
これは料理をおいしそうに見せることができ、更に食欲を増進させる効果があると言われているためです。
寒色は食欲減退の効果があるため、避ける傾向にあります。
ほかには、家電などの電化製品は黒色の方が重量感を与えるため「高級感」を感じるなどもあります。
店舗の雰囲気
若い世代がターゲット層であれば明るい色をメインにするとよいと言われています。
開放的で清潔感の感じる空間は、若い方が気軽に入れる店舗となります。
黒や暗い茶色をメインにすると落ち着いた空間となり、高級感のある大人な空間に仕上がります。
木目調、木の色合いをメインにすれば温かみのある落ち着いた空間に変わるため、ご年配やファミリー層に好まれる傾向にあります。
このような色の力を利用することで、より自身の理想とする店舗を作ることができるのではないでしょうか。